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平成25年10月1日兵庫県議会 上野県議一般質問

 

 

平成25101日に一般質問を行いました。今年度は、社会基盤整備プログラムの平成26年度から約10年間の改訂作業中です。

よって、特に、基盤整備の遅れている市川町と福崎町の県道西脇八千代市川線と県道甘地福崎線、福崎町の七種川、国道312号神崎橋下流右岸、高橋地内の国道312号冠水箇所の質問を集中的に行いました。

質問は、以下のとおりです。

 

おはようございます。民主党・県民連合議員団、神崎郡選出の上野ひでかずでございます。

今年は、社会基盤整備プログラムの見直しの年であります。社会基盤整備に絞って3項目7点について一般質問を行います。また、その殆どが県土整備部についてであり、一部土地改良施設について質問を行います。

前向きな誠意ある答弁を期待いたします。

 

1.公平・公正性、透明性を持った社会基盤整備の推進について 

1)社会基盤整備プログラムの見直しについて 

 

 「第2次行革プラン3年目の総点検における課題と検討方向」には、「平成25年度当初予算における収支不足額は未だ735億円に上っています。平成30年度までの収支均衡に向け、まさにこれからが正念場であります。一方、兵庫の将来を見据えて対応すべき課題や危機に対して解決への道筋を定め、計画的に対策を選択と集中の徹底で進めていかなければならない。」と記されています。

そのような中で社会基盤整備については、平成14年度から約10年間、平成20年度から平成30年度までの10年間を県民局単位で社会基盤整備プログラム、いわゆる「社基プロ」が策定され、現在、平成26年度から平成35年度までを新たな計画期間として、見直し作業が行われています。

社基プロは、地域の課題や県民ニーズに的確に対応することは言うまでもなく、公正・公平性、透明性を持たせることも重要な目的であると考えます。

今回の見直し作業については、既に見直しのタイムスケジュール等が示されており、前述の観点からも的確に作業が進められていると感じています。しかし、前回の見直しでは、地域の意見を聞く機会が十分でなかったと認識しており、今後の見直しに当ってはこのようなことがないように強く指摘しておきます。

そこで、この度の見直しに当り、地域の課題や県民ニーズを的確に把握するために、具体的にどのような方法を考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

 

答弁:井戸知事 

社会基盤整備プログラムの見直しにあたりましては、「備える・支える・つなぐ」の視点のもとに、「津波防災インフラ整備5箇年計画」や「ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画」等の分野別計画を体系的に位置づけ、緊急かつ重要な事業を選定することにしております。また、これまで以上に地域の課題や県民ニーズを的確に捉え、公平・公正性、透明性を確保して参ります。

 地域課題や県民ニーズの把握についてですが、既に8月から県民意識調査や企業へのアンケート調査を実施しています。11月から県下6箇所で県民フォーラムを開催します。その際には、社会基盤の現状や整備の考え方、事業効果などについて小冊子、パンフレットを活用してわかりやすくご説明し、県民の社会基盤に対する満足度や評価、自然災害に対する意識、今後の社会基盤整備への期待等をきめ細かく把握する予定です。さらに、地元に精通する市町はもとより県議会のご意見も十分に伺いながら県民意見のプログラムへの反映に今後とも努めて参ります。

 公平・公正性の確保でありますが、交通量や事故・災害実績などの客観的指標に加えまして、災害時の避難・救援等の防災機能の確保、観光等の地域振興やまちづくりとの整合性、地元の合意形成状況など、地域固有の実情も加味した多様な観点から総合的に評価して選定します。

 透明性の確保に当たりましては、プログラムの見直しスケジュールを公表しておりますが、大局的・多面的な視点から助言を得るためにこの5日から3回ほど有識者委員会を公開で行います。また、アンケート結果や県民フォーラムの内容、事業選定の考え方をホームページやマスコミ等を通じてわかりやすく情報発信します。

 今後とも、このような公平・公正、透明を確保しながら、地域の課題や県民ニーズに対応した社会基盤整備プログラムを策定して参りますのでよろしくご指導をお願い致します。

 

2)社会基盤整備プログラムに記載されない事業について 

 

社会基盤整備プログラムに記載をされない1億円未満事業については、主に県単独土木事業で実施されていますが、県民の地域の課題やニーズに的確に、且つ、緊急に対応する必要から、柔軟に対応することが必要であると考の県単独土木の事業量を10県民局と本庁の県全体で26442百万円であり、私が初めて議員となりました平成19年度の約6割となっており、含めての26442百万円ですので県民ニーズに十分応えることが困難のように考えどのよ認識しているのかお伺いします。

 

答弁:井戸知事 

県単独土木事業は、施設の維持管理や老朽化対策のほか、ご指摘のように生活道路の拡幅だとか河川改修など、地域に密着した小規模な事業を実施している。それだけに、その執行にあたっては、きめ細やかなニーズに応えていく必要がある。事業量については、行革プランに基づき、震災復興のため高止まりしてきた投資事業規模を全国平均水準にまで段階的に縮減していく中で県単独土木事業費も同様に縮減してきたものである。道路や河川などの小規模な事業の整備枠は徐々に減少し、現状では、草刈りや清掃等の維持管理費、公共事業に付随した事業費などの義務的な経費が太宗を占めるようになってしまっている。

しかし、①地震・津波対策や歩行者・自転車分離大作戦など、緊急な対応が必要な事業については、地域の元気臨時交付金等を活用して事業量を確保する。

②排水機場等機械設備の更新などの老朽化対策については、自由度の高い社会資本整備総合交付金等を活用するなど、可能な限り国庫補助事業へ振り替えて対応している。③さらに、施設の維持管理費については、例えば、草刈り等の頻度や施工範囲の見直し等により工夫している。

こうした取組により、県民生活の安全・安心に関わる最小の事業費は確保できていると考えている。

引き続き、国庫補助事業への振替のための採択基準の拡充を国に強く求めていくとともに、施設の長寿命化等により事業費の縮減や工夫を図っていく。

今後とも、必要な予算を措置しながら、県民のニーズを細かく的確に把握し、地域の実情に応じて柔軟に実施していくので、ご理解とご指導をお願いする。

 

2.国道、主要地方道、一般県道整備の基本的な考え方について 

県土整備部の管理する国道は、他府県あるいは広域の市町に跨る路線であり、行政需要の大きいものであると考えます。主要地方道は、広域の市町に跨る県道であり次に需要の大きいものであると考えます。一般県道は、2つ以上の市町に跨る路線であります。このことからも、県土の骨格をなす国道や主要地方道の整備が優先されるとともに、交通需要に応じた整備が行われるべきだと考えます。

しかし、限られた予算の中で住民ニーズに対して、その整備が十分に応えられていないのも実態だと思います。また、整備が遅れている現状は、県下の多くで共通したところがあると思います。そこで、神崎郡内での具体的な事例をあげてお伺いします。 

 

 1)西脇八千代市川線の整備状況について 

 

主要地方道西脇八千代市川線の整備状況についてお伺いします。

道路整備については、地元市町等の要望などを加味しながら進めることは当然ですが、地形的な要件や家屋の連担、地権者等の協力体制等々によっても進捗の度合いが違ってくることは認識をしています。

西脇八千代市川線の市川町域における整備の現状は、全長11kmのうち2車線改良済は5.4km49%で、歩道設置延長は3.6km33%と整備が遅れている感があります。

交通量は、西脇市野村町では11,179/日、西脇市平野町で9,550/日、多可町八千代下三原では、1,872/日、市川町下瀬加では、4,478/日で通行量としては決して少なくなく、さらには、船坂トンネルが開通してから、姫路港から丹波市へ木材チップを積載した多数の大型ダンプトラックが通行しており大変危険な状況となっています。しかし、市川町側では家屋が連担しており、早期の全線整備は困難であることは明らかなことは理解をしています

そこで、当道路の市川町側を3箇所に分けて整備方針をお尋ねします。1箇所目は、前回の社基プロの見直しで見送られた下牛尾地内忍辱橋から河内口の間についてでありますが、重大な人身事故も発生している箇所であります。当然のことながら2車線歩道付きで整備すべきと考えます。2箇所目は、保喜から上田中の間についてであります。特に上田中公民館前は、狭隘で非常に危険であります。3箇所は、上田中から上瀬加の、人家の連担する間についてどのような整備方針をお持ちなのかお伺します。その上で、西脇八千代市川線のバランスのとれた全線改良に向けてお答えください。

 

答弁:濱田県土整備部長 

主要地方道西脇八千代市川線は、平成10年度に船坂トンネルを供用いたしまして、その後、平成19年度までに下牛尾地区の忍辱橋南側約0.6kmの道路改良を、また、平成22年度には河内口で路肩拡幅及び浸水対策としての防水壁設置を進めてまいりました。さらに、今年度から小中学校周辺の通学路となっている上瀬加地区の約1.2kmで歩道整備に着手してございます。

1点目の下牛尾地内の忍辱橋と河内口の間約0.8kmにつきましては、幅員が狭く、すれ違いが困難であること、また通学路でもありますことから、今回社会基盤整備プログラムの位置づけを見直しまして、事業化を検討いたします。なお、2車線の歩道付きにするかどうかなんですけれども、歩道付きの整備を基本としたいと思っておりますけれども、町道が並行する区間がございますので、そういったところでは、やはり利用状況を踏まえて歩道を付けるかどうかについて判断したいと考えております。

2点目は保喜と上田中の間約1.4kmにつきましては、一部区間で幅員が狭いものの、市川町中心部へのアクセスは2車線の町道で拡幅されておりますため、着手をこれまで見合わせてきましたけれども、今後、福崎方面へのアクセス強化に向けまして、周辺農地を活用したバイパス案を検討してまいります。なお、上田中公民館前後など特に幅員が狭小な箇所がございますが、当面の対策といたしまして、側溝の蓋がけや視線誘導標などの安全対策を進めます。

3点目の、上田中と上瀬加の間約2.6kmについては、線形もよくセンターラインが引かれておりまして、概ね2車線が確保されておりますけれども、路肩が十分でないことから、視線誘導標や減速を促す路面表示等によりまして、すれ違い時の脱輪防止とかドライバーへの注意喚起を行っていきます。

今後とも、地域の課題やニーズにきめ細かに対応し、市川町との連携、協力のもと取り組んでまいります。バランスを考えてというご指摘がございましたけれども、とにかく全線改良に向けてこれからも努力してまいりますのでどうかご理解いただきますようよろしくお願い申しあげます。

 

 (2)甘地福崎線の整備状況について 

 

 一般県道甘地福崎線は、全長4.1kmの内、平成621年に福崎町と市川町の町境から福崎町側1. 6kmと甘地駅前0.2kmが歩道付2車線で改良済となっています。一方で、福崎町境からの市川町地内1.1kmについては、特に狭隘で、JR播但線と市川に挟まれた地形的な制約の問題もありますが、地元の多くの人たちは放置されているのではないかと感じています。通行量は、3,840/日で決して少なくありません。道路構造令を満たす綺麗な線形での改良では、市川左岸の国道312号まで影響することになり、費用対効果を考えた場合には、なかなか出来得ることではないと考えます。そこで、構造令基準に強く捉われず、道路に隣接する農地や用水路部分を活用して、できるところから改良するべきと考えますが、まず、今後の整備方針についてお伺いします。

 次に、福崎駅は福崎町の玄関口だけでなく神崎郡の玄関口であります。過去から何回か駅前整備の機運が起こりましたが、残念ながら現在に至っています。

しかし、今回福崎町は、平成2630年度の5年間で駅前広場の整備とそれに伴い当県道の付替えが必要となる区間の拡幅整備を行うこととしており、その支援もよろしく願うところですが、その付替え区間から北側の未改良区間の拡幅整備を一体的に合わせて県が行うことが、より効果的と考えます。また、そのことにより、人家が連担した福崎駅より東600mを介せずに、改良済の町道駅南幹線を通じて県道三木へのアクセスが向上します。

さらには、当道路は、県立福崎高校、福崎小学校等々の通学路でもあり、通学路の安全確保からも重要と考えますがご所見をお伺いします。

 

答弁:濱田県土整備部長 

一般県道甘地福崎線は、市川の右岸におきまして市川町と福崎町を結びまして、通勤・通学に利用されるなど地域の生活に密着した道路でございます。県はこれまで、福崎町山崎、甘地駅前等で現道拡幅により整備を行いまして、安全で円滑な交通の確保に努めてまいりました。

福崎町境から市川町地内の未改良区間約1.1kmの内、北側約0.4kmと南側同じく0.4kmはJR播但線と市川に挟まれまして、地形的な制約が厳しいため、抜本的な改良が難しい状況にございます。このため、残る、農地と隣接いたしました、その間の0.3kmにつきましては、車の離合が少しでも安全に出来るように引き続き待避所の整備を検討したいと思っています。なお、南側約0.4km区間につきましては、並行して用水路が走っておりますので、用水路部分を活用した整備について水路管理者等、関係者と協議してまいります。

一方、福崎駅周辺につきましては、JRと並行する未改良区間約0.6kmの内、駅前の約0.2kmにおきまして、来年度から町が事業主体となって、駅前広場や駐車場、駐輪場とともに、県道を付け替えて拡幅する等の駅前整備を予定してございます。県は、その北側約0.4kmを町の駅前整備の進捗に合わせ一体的に拡幅をしてまいります。このうち、福崎高校や福崎小学校の通学路でもございます湯口踏切までの約0.1kmにつきましては、早速来年度から事業に着手したいと、このように考えております。

今後とも、本路線については、地元の皆様や関係者のご協力のもと、市川町、福崎町とも緊密な連携を図りながら、効率的・効果的な整備に努めてまいりますので、引き続きのご指導賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

(再質問)

 

本当に前向きな答弁をいただきましたが、1点だけ再質問させていただきます。甘地福崎線の市川町側の農地のある部分ですね、待避所的という答弁があったんですが、3,4年前に待避所の整備をしていただいたんですが、本当に何処をいらったのかなという風にわからないような部分がありましたので、農地の部分は300mありますので、この待避所的というものの考え方についてもう少し答弁をお願いします。

 

答弁:濵田県土整備部長 

ここは北側と南側の幅員が狭くてですね、しかも物理的に拡げにくい区間でございます。だからといって真ん中の300m、長い区間拡げてしまいますと、車がスピードを出しすぎたりして、かえって危険性が増すんではないかという考え方がございまして、そういった考え方から、2,3年前に、川側に用地買収をせずに、最小限の拡幅を3箇所させていただいたところでございます。これ以上は川の方には河積を阻害いたしますので、拡幅が難しいので反対側の農地の方をですね、地元の方、地権者の協力を得られるんであれば、少し長めの待避所と申しますか、車が余裕をもってすれ違いのできるくらいの長さの拡幅整備を検討させて頂きたいと思っております。長さにつきましては安全性等を考慮して十分検討したいと思っております。

 

3.河川整備計画、地域総合治水推進計画と「自然災害に備える」の視点について 

 

市川流域の河川整備計画では、姫路市飾磨区阿成地区などの市川本川の改良と市川町谷地区の振古川支川の改修計画しか上がっていません。また本年、地域総合治水推進計画の策定が予定をされていますが、主旨は、なかなか追いつかない河川整備・改修の現状で、県・市町・県民が協働して、ため池や田畑、遊水地、家庭の貯留施設の設置などで一気の出水を防ぎ、自らの命は自らで守ることの認識の再確認を行い、そのうえで公は公として防災インフラを進めていくことと理解しています。そのうえで、「自然災害に備える」の視点から、道路整備と同じく神崎郡内の具体的な次の3箇所についてお伺いします。

 

(1)市川支川七種川の河川整備について 

 

1箇所目ですが、福崎町では、昭和38634日の集中豪雨で、家屋半壊3戸、床上浸水90戸、床下浸水723戸の甚大な被害があり、市川支川七種川沿川でも大きな被害が発生しました。それに対して、昭和4155年にかけて小規模河川改良として左岸900m、右岸1,035mのブロック積護岸が整備されまししかし、それから上流部分は80100m間隔でコンクリート帯工と護岸の補強として蛇籠が設置されただけでありました。現在では、当然、蛇籠はなくなり、帯工の前後は洪水のたびに洗掘されるなど危険度が増しています。そのなかでも、民家が密集しており、しかも天井川状態に近い福田橋下流部左岸は特に危険度が高いと考えます。

 そこで「自然災害に備える」の視点から、また、住民の方々の安心度を高めるためにも必要な対策を講じる必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

 

答弁:富岡理事 

福崎町の市街地を経て、市川に合流する七種川は、昭和38年6月の豪雨による災害を契機といたしまして、再度災害防止を図るため、昭和41年から55年にかけて、市川との合流点から約1kmの区間で護岸を整備するとともに、その上流部で河床低下を防ぐ帯工や蛇篭を設置してまいりました。

しかしながら、事業の完了から30年以上が経過しておりまして、議員からもご指摘ありましたとおり、上流部では、洪水の影響等によりまして、帯工の部分的な破損やその前後で洗掘が進んでいる箇所もございます。

議員からも冒頭にお話がありました今年の台風18号の豪雨の際には、幸いこの七種川では河川から水が溢れる、溢水するという事態にはならなかった訳ではございますが、相当な増水となりました。このため、今年の増水期後に河道の変状を詳細に確認した上で、特に洗掘が進んでおります福田橋下流左岸や、その上流部も含めた帯工の前後などにおきまして、護岸の整備や洗掘防止のための護床ブロックの設置等、必要な対策を実施してまいります。

今後とも、自然災害に備えるため、適時・適切な河川の点検と必要な維持修繕を行うなど、住民の方々の安心度を高める対策を講じてまいります。

 

2)神崎橋下流右岸の整備について 

 

 2箇所目は、国道312号神崎橋下流右岸であります。福崎町の中心部で人家も密集したところであるにも関わらず護岸が築堤されていない箇所があります。おそらく、市川本川の平地部で築堤がされていないのはここだけだと思います。遊水地であったと思いますが、見様によっては霞堤とも思える部分ですが大変危険な箇所であり、環境的にも問題の大きいところであります。そのため、平成112月には、県と福崎町が協議を行い、町は市川河川環境整備計画報告書を作成しました。しかし、その報告書から14年が経過をしようとしていますが未だ整備の見込みは立っておらず、新町地区の住民の方々は、町の要請のもとに何度か地域としての取組もされてきましたが、現在に至っています。元来、当箇所は県の河川管理区域であり、県が築堤などの護岸整備を行う箇所であります。また、報告書作成の経過の中では、基盤整備について県が相当に相応な支援を行うはずであったと聞いていますが、改めて県の取組方針をお伺いします。

 

答弁:富岡理事 

市川の神崎橋下流右岸につきましては、議員からもご指摘ございました通り、無堤地区であり、県としても河川整備の必要性は認識しているところであります。現在、河川整備計画に基づきまして下流の姫路市阿成地区から順次整備を進めていますが、当地区では、終戦直後に他地域から移り住んだ方の住居等の不法占用物件が支障となっておりまして、下流の流下能力に見合う部分的な整備にも着手できていない状況にございます。

このため、県では、不法占用者に対して自主撤去を行うよう繰り返し文書勧告を行うなどの交渉を重ねてまいりました。

平成11年には福崎町が「市川河川環境整備計画」を策定いたしまして、当地区の河川敷を町の公園として位置付けたことを契機といたしまして、町と連携して物件の自主撤去に向けた交渉を重ねてまいりましたが、なかなか理解が得られず、解消には至っていないというのが現状であります。

今後、県としては、このような状況を打開するため、所在不明の不法占用者や相続人の調査に加え、文書による再度の勧告を行い、交渉の促進に努め、不法占用の早期解消に取り組んでまいります。また、町が公園を整備するに際しましては、町と連携しながら、公園に相応しい護岸や階段等の河川敷整備を行い、無堤地区の解消と併せた良好な河川環境の創出を図ってまいります。

 

3)福崎町高橋地区内の国道312号線等の冠水対策について 

 

 3箇所目は、姫路市との境界に位置する福崎町高橋地区内の国道312号等の冠水対策についてであります。

 高橋地区には、姫路市溝口地区のため池、栃羽ハス池と栃羽新池、高橋地区の高橋ハス池があり、その集水面積は約160,000㎡と大きく、豪雨の際には高度の高い栃羽ハス池と栃羽新池の洪水吐から、高度の低い高橋ハス池に流れ込みます。そして、高橋ハス池の洪水吐から用水路を通り、312号線沿いの運送会社2店舗の駐車場内の水路を通り、312号を⏀500,600,400,450のヒューム管4本で市川に排水しています。

しかし、洪水時には、高橋ハス池の洪水吐から排出された水は用水路から水田に溢れ、水田から民間事業者の駐車場に流れ込みます。それに加えて、市川の水位が国道312号を横断するヒューム管よりも高くなった場合には駐車場に流れ込んだ水が市川に排水されず、道路が冠水することになります。過去にはその水位が道路天よりも高くなったこともあります。

 また、他の要因として市川の少し上流には、姫路市溝口地区及び香呂地区へかんがい用水を導入する大妻井堰が考えられます。その導水路は、河川に対して約45度の角度で延長160mに渡って横切っています。このため、上流からの水心もその導水路に沿っていると見えます。私は、これも市川の水位上昇の一因ではと考えています。

 先日、9月9日に私と、姫路土木事務所福崎事業所、姫路土地改良センター、福崎町農林振興課で対策会議を持ちました。

 総合治水条例の趣旨を弁えながら、何点かの確認を行い11月にもう一度それぞれの課題検討について持ち合うとしています。

 これまでも、高橋地区の区長さんからの要請で町は、個別に福崎事業所、あるいは土地改良センター等と協議をされてきましたが、解決には至っていません。

 直接的に被害を受けているのは、高橋地区の皆さん、2つの運送事業所、国道312号線の利用者と道路管理者であります。福崎町、姫路土木事務所、土地改良センター、また姫路市は、それぞれ持ち場の範囲でしか対応できてなかったのが、これまでったと思われます。

この冠水を解決するためには、洪水時にも高橋ハス池から市川に排水できるよう、水路を整備することが必要です。高橋ハス池の上流にあるため池なども視野においた対策も重要でないかと考えます。

そこで、この高橋地区の冠水対策に今後どのように取り組まれるのか、総合治水の観点も含めてご所見をお伺いします。(1186文字)

 

答弁:富岡理事 

福崎町高橋地区の冠水を解消するためには、ため池から市川に流れ込む農業用水路の断面を確保すること、それから、市川の水位が上昇した際にも水路流末部の流下能力を確保することのこの2つの対策が有効であると考えています。

具体的には、一つ目の水路の断面確保については、高橋ハス池からの放流量に対応できるよう、現況が300ミリ角の断面の水路から800ミリ角程度にようは広げて改修すること、それから、二つ目の水路流末部の流下能力確保については、市川の水位に対してできるだけ流れやすい位置や構造を工夫することなどが考えられます。

 9月9日に町と県が開催した「高橋地区雨水対策検討会」では、これらの課題を共有したところでございまして、11月の次回会議では、さらに総合治水の観点から、ため池の事前水位下げによる貯留容量の確保なども含めた、効果的な対策を立案してまいりたいと考えています。

 一方、大妻井堰周辺の市川は、堀込河道となっており流下能力も前後区間と比較しても同等であるということから、治水対策としての井堰等の改築については、長期的な課題であるというように認識しておりますが、実際、古い井堰でございまして、老朽化が進んでいるのも事実であります。老朽化対策として井堰等の改築を行う場合にあたっては、下流の姫路市や利水団体等との調整も図りながら、可能な範囲で流下能力の向上についても図れるよう併せて検討してまいりたいというように考えています。

当面の対策といたしまして、県としては、洪水時の水位低下に寄与する河川内の立木伐採等を進めるとともに、先ほどの検討会の場を最大限活用するなど、福崎町をはじめ関係機関との一層の連携によりまして、諸対策の検討を進め、冠水の早期解消に取り組んでまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

終わりに 

 3項目7点について質問をさせていただきました。聞かれた方からすれば、典型的な地域への利益誘導の質問と思われたかも知れませんが、私は決して神崎郡だけが良ければ良いとは思っていません。

 鳥取豊岡宮津道、東播磨南北道路、播磨臨海地域道路や高速道6基幹軸などの議論は、公共事業等審査会等々でのある意味開かれた部分での議論がありますし、別次元での整備議論でもあります。

 私は、先ほどまでに質問をさせていただきました国道や県道や河川整備など、地域の生活と暮らしに根ざした基盤整備については、地域的な条件や事情に考慮することはもちろんであり、そのことによる整備状況の差異は当然としながらも、一定の基準、水準で、できる限り公正に行われるべきと考えています。 

 また、過去には国の補助基準に基づいた設計基準ということで致し方はなかったと思いますが、過度な整備内容と思われるものもあったと思います。さらに、人家の連担部分の整備についても一律に物件移転をすることも一考すべきではと考えます。さらに、甘地福崎線のように地形的制約があることで、整備方針すら示さずに、先送りだけをすることもどうかと思います。

 本当に必要とする部分を、また、本当に困難な個所は当面見送ることで、多大な経費をかけずに整備率を上げることが、結果的に県民の安全と安心を高めることになり、また、県下全体の整備率を押上げることになると考えます。

 県土整備部のますますのご奮闘を期待して、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2013年10月15日(火) | カテゴリー: 一般質問等 |

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