5月25日(月)姫路護国神社において、神河町戦没者追悼慰霊祭が開催されました。慰霊の言葉を掲載します。
慰霊の言葉
本日ここに、過去の大戦において亡くなられました神河町出身588柱の戦没者の方々の追悼慰霊祭が執り行われるにあたり、謹んで哀悼の誠をささげます。
588柱の方々は、母や家族、ふるさとのことを思いながら、戦争で若い命を奪われ同時に、将来の夢や希望も失わされ、さぞや無念であったと思います。私たちは、その尊い犠牲の上に戦後の日本の発展と平和があり、平和な暮らしを享受させていただいています。しかし、大戦から70年を迎える今日において、中国の軍備拡大、南沙諸島における埋立基地化の行動などは、新たな覇権主義として隣接国、ベトナム、フィリピン、インドネシア等にとっても看過できない状況となっています。尖閣諸島、竹島、北方四島等の領土問題も日本にとっては、中国、韓国、ロシアなどとの間においての憂慮すべき課題であります。また、ロシアとウクライナとのクリミアを巡る紛争や、およそ信じがたい残虐・残忍なテロリズム「イスラム国」による中東等における行為などを観ていると、戦争という足音が聞こえ始めたように感じるところです。領土問題は、資源をはじめとする国家的利権と国防をはじめとする軍事的諸課題等、それぞれの国において大変重要な課題でありますが、それらがエスカレートすると再び過去の過ちを繰り返すことになります。
さらに、集団的自衛権の解釈改憲をはじめとする安保法制が、今国会に上程されています。積極的平和主義による集団的自衛権が、新たな紛争とならないか、今一度、しっかりと「平和憲法」と先の大戦からの「不戦の誓い」を肝に銘じた憲法議論を行う必要があります。争いは軍事的な解決ではなく、平和的に外交課題として解決を図っていくようにしていかなければなりません。。平和的に解決をすることが、先人たちの犠牲を無駄とせず、戦地で散って行かれた先人たちの願いに応えることとなります。
また、沖縄・普天間基地の辺野古沖への移転問題や、日米安全保障条約と国防問題、未締結の国々との平和条約の締結なども、本来は憲法課題であります。
戦争を知らずに平和を享受している世代が多くなるにつれ、戦争の恐ろしさ、悲しさ、空しさを理解している方が少なくなっています。あの悲惨な戦禍を語り継ぎ、二度と同じ過ちを繰り返さないように子々孫々に伝えなければなりません。
最後になりましたが、世界の恒久平和と人類の繁栄のためにたゆまぬ努力を重ねていきますことを固くお誓いし、いまはただ先人の皆様が永久に安らかであらんことを願い、あわせてご遺族皆様方のご健康とご多幸をご祈念いたしまして慰霊の言葉といたします。
平成27年(2015年)5月25日
兵庫県議会議員 上 野 英 一
2015年05月26日(火) | カテゴリー: 活動報告 |
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